仮想通貨全般/経済

Decentralized化する世界

米大統領選でヒラリー・クリントンを倒してドナルド・トランプが選ばれた時、ビットコインの価格が高騰しました。ドナルドトランプ次期大統領が誕生してからと言うもの、ビットコインは上昇を続けてきました。ビットコインとドナルド・トランプは相性がいいといいます。ビットコインと彼には共通項があるとされており、それは、中央(管理者)を持たない”Decentralized(非中央集権化、分権化)”です。


ビットコインブロックチェーンについて語られる時、いつも”Decentralized”という言葉を聞く。トランプ大統領が口で言ってることをどこまで実行に移すかは分からないが、その思想もまたDecentralizedである。

アメリカという国は今までも好き勝手やってきた。世界の各々の国や地域の実情は無視し、”グローバリズム”の名の下に「アメリカ流」のやり方や常識を押し付けてきた。トランプもまたアメリカの利益のことばかりを考え、他の国々のことは慮っていない。そういう意味では「アメリカ流」を押し通そうとしている姿勢は同じだと言えるが、大きく違うのは、グローバリズムの流れにおいては、アメリカは「世界の警察」、「世界のリーダー」として自国の都合を押し通そうとしていた、ということだ。トランプはアメリカが世界の警察であり続けることは「負担(特に経済的負担)」であると考えている。

“Decentralized”(非中央化)とは何か

「非中央化」とは中央から離れるということである。では「中央」とは何か。

中央とは地球温暖化問題やテロとの戦い、TPPなど、世界的に取り組まなければならない問題に取り組むときの枠組や組織である。国連やG8がそうだし、EUもヨーロッパの「中央」である。

2016年、イギリスとアメリカという兄弟または親子のような関係にある二つの国が、それぞれ”Decentralization”の道を択んだ。Decentralizedには、メリットとデメリットがある。

イギリスと対極的なのなドイツで、ドイツはずっとヨーロッパの“顔”としての役割を果たして来た。メルケルはドイツ国内の問題だけでなく、ヨーロッパ全体の問題についても責任を持って仕事をしてきた。温暖化問題などの世界的問題にも積極的に取り組んで来た。その結果、EU内におけるドイツの地位は高まり、発言力も大きくなった。今のヨーロッパには誰もメルケルのドイツには逆らえない雰囲気がある。

一方、デメリットとしては負担が大きすぎる、ということが挙げられる。数年前のギリシャ問題のときも、「なぜウチらがギリシャの面倒をみてやらなければならないんだ」という国内からの不満の声がたくさんあった。国内の問題も山積みなのに中央(ここではEU)の仕事もしなければならない。イギリスは中央の仕事の負担軽減のために”Brexit”を択んだ。負担は軽減するが、中央における地位、発言力の低下、というデメリットがある。

アメリカもまたトランプ大統領が中央から離れようとしている。真っ先にTPPからの離脱を表明したが、この先、地球温暖化対策やテロとの戦いなど、世界的規模で協力して取り組んで来た問題からも手を引いていくかもしれない。

こうした動きは、政治の世界で「保護主義」、「孤立主義」などと言われるスタイルと似てくる。

「ドナルド・トランプは内向きなのか外向きなのか」と問う人がいる。自国内の問題に関心を持っているのか、それとも対外的な問題に関心を持っているのか。だがその問いの立て方は正しくない。トランプは内にも外にも両方関心を持っている。今までどおり、いやそれ以上に「偉大なアメリカ」を対外的に誇示しようとしている。ただ、その方法がDecentralizedなのである。せっかく力を持っているのだから、中央を介さずに直接誇示したり圧力をかけたりしたほうが早いというわけです。

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P2P化する世界

非中央化、脱中央化は、決していわゆる外交に興味がないということではない。トランプはアメリカとロシアとの間の問題は米露間で個別に解決しようと考えている。中国との間の問題、日本との問題、メキシコとの問題は、それぞれ米中間、米日間、米墨間で解決を図るべきことだと考えているだろう。こうした関係はとてもP2P(ピアトゥーピア)的だ。中央を介さずに当事者同士で直接やり取りをする。ビットコインもそうだ。中央銀行を介さずに両者間で価値の移転を実現する。

ビットコインを支持する人たちのあいだには、「中央なんか要らない」という考え方の人も多い。だが中央には“うまみ”もある。ドイツの例のように中央での発言力が増す、というのも一つだが、そもそも中央は「世界に対してある程度のコントロールが効く」というのが大きなメリットである。「中央銀行はなくなる。ビットコインのような仮想通貨だけの世の中になる」という人もいる。もし今、日本から日本銀行がなくなったとすると、経済のコントロールは失われ(今でもコントロールできてるのか?という疑問はあるが)、日本という国の経済の安定性は失われる。

一方で、トランプの思想は、P2P的な世界をよしとする人々との強い親和性を持つ。

日本の孤立化は「孤立主義」の孤立ではない

日本の孤立化は、英米のそれのような自国優先のための孤立ではない。また自発的な孤立でもない。「国際社会の一員として恥ずかしくない責務を果たす」と言って中央に出て行ったら、アメリカが自宅に帰ってしまって中央でぽつんと一人になってる状態である。

日本の首相はアメリカの大統領に翻意を促しTPPへの復帰を求めているがはたしてどうなるか。トランプが自国に引き籠もってくれたらまだいいほうで、実際には(おそらく貿易を中心とした)過酷な綱引きを今後はどの国もしなければならなくなる。

「Decentralized化する世界」と言っても、「中央」が無くなるなどとは私は思っていない。中央は今まで通り在り続ける。ただDecentralizedの“動き”には注意しておかなければならない。


Decentralized化が進む世界で日本は今後どうするのでしょうか。

世界のリーダーとして存在感を増していくか、Decentralized化の流れに乗って日本国内に引き籠もるか、それとも中央の真ん中で「僕はひとりぼっちだ」と叫ぶのか。一つの進路が問われる局面に来ています。

お金も、紙幣や硬貨が、近々急に無くなってしまうことはきっと無いでしょう。しかしながら、Decentralized(管理者を持たない)仮想通貨の普及は日々目まぐるしいものがあります。何も見ずに目の前の紙幣だけを握り締めていては、ある日、自分も取り残されてしまっていた…。なんて事がないように、日々アンテナを張っておくことが重要ですね。

出典:http://blogos.com/article/199916/
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