なぜビットコインをイーサリアムでトークン化するのか?──供給量は11億ドルを突破

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驚いたことに、ビットコイン(BTC)はイーサリアムブロックチェーンで展開されるDeFi(分散型金融)時代の大人気スターになっている。

トークン化されたビットコインは、双方のブロックチェーンの一番のメリット──ビットコインの価格価値とブランド力、イーサリアムのプログラマビリティ(プログラム可能であること)──を併せ持つ需要の高いトークンだ。

先週、暗号資産(仮想通貨)決済会社のビットゴー(BitGo)が手がけるWrapped bitcoin(WBTC)の供給量は、週の最多記録を更新し、約2万1000近くに達した。現在、総供給量は7万6000を超えている。

データサイトのデューン・アナリティクス(Dune Analytics)によると、その前の週の供給量は1万2200を超え、過去最高を更新したばかりだった。

トークン化されたビットコインは、DeFiにおける最大の資産の一つになっており、全体で10万7000ビットコイン(約11億ドル相当)が7つの発行元でトークン化されている。レンディング(融資)サービスのBlockFiのような他の選択肢よりも、高いリターンで多くの人を引きつけている。

なぜトークン化されたビットコインを使うのか?

イーサリアムブロックチェーン上のビットコインが行っていることはシンプル。ユニスワップ(Uniswap)のような成長中の分散型取引所(DEX)に流動性を提供し、利回りを稼ぐことが目的だ。CoinDesk 20によると、ビットコインの現在の時価総額は、イーサリアムの5倍にのぼる。

トークン化されたビットコインを使うことで投資家は、イーサリアムとDEX市場に大きな価値をもたらすことができる。

DeFi(分散型金融)は、従来の中央集権型取引所(CEX)市場と比べると、きわめて未成熟と考えられている。このことは、異なるDeFi市場間で取引価格の差が大きいことからもわかる。

市場における価格差はトレーダーに利用されることになる。いわゆる裁定取引だ。WBTCは裁定取引を狙う投資家にしばしば選択される資産となっている。

ビットコインは価格価値が大きい。大きな資産を取り扱うことで、DeFiプラットフォーム自体はより強固なものになる。

しかし、ビットコインのトークン化にはリスクが伴う。またトークン化されたビットコインには複数の形態がある。

トークン化されたビットコインの安全性

トークン化の手法が違えば、安全性も違ってくる。トークン化されたビットコインの場合、安全性はカストディ(保管)と担保の方法による。現状では、3つのタイプがある。

WBTCのような中央集権型、tBTCのような担保付きのスマートコントラクトシステム(分散型)、そしてsBTCのような合成資産型だ。

1つ目の中央集権型のWBTCは、データサイトのイーサスキャン(Etherscan)によると、ここ数カ月で8億850万ドルが発行されており、爆発的な人気を集めている。

トークン化されたビットコイン(発行者別)
出典:Dune Analytics

WBTCでは、預け入れられたビットコインはビットゴーが保有している。ユーザーはビットコインをビットゴーに送り、同額のERC-20トークン、つまりWBTCを受け取る。WBTCはそのあと、流通市場で売却したり、DeFiプラットフォームを使って収益を得ることもできる。

2つ目は、9月22日にスタートしたキープ・ネットワーク(Keep Network)のtBTC(分散型)は、中央集権型のビットゴー・モデルをノード、ウォレット、スマートコントラクトのネットワークで置き換えるものだ。

双方の関係者──ビットコインを預け入れる人、保管する人──が、ソフトウエアを通じて、トラストレス(信頼できる第三者による承認を必要とせず)にやり取りできるようにすることで、ビットゴーのプロセスを分散化する。

RenBTCもtBTCと同様の分散型。デューン・アナリティクス(Dune Analytics)によると、RenBTCは現在流通しているトークン化されたビットコインの約20%を占めている。

3つ目のsBTCは、ビットコインではなく、シンセティックス・ネットワーク・トークン(SNX:Synthetix Network Token)という別のトークンによって裏付けられている。

トークン化されたビットコインの使用例

暗号資産デリバティブ取引所FTXの姉妹企業、アラメダ・リサーチ(Alameda Research)の最近の取引を見てみよう。

FTXでは、ビットコイン(BTC)とWBTCが交換できる。ユーザーがビットコインをWBTCに交換する時は、FTXはアラメダのBTC/WBTCプールからWBTCを引き出す。ユーザーはビットコインをFTX(アラメダ)に送ってWBTCを受け取る。

アラメダのWBTCプールが足りない時は、ビットゴーで補充する。アラメダはビットコインをビットゴーに送り、イーサリアムブロックチェーン上で発行リクエストを作成する。

ビットゴーは、ビットコインが入金されていることを確認し、アラメダのリクエストと同数のWBTCを発行する。

WBTCはFTXで使うことも、ピア・ツー・ピア取引で別のトークンと交換することも、あるいはDeFiマーケットで使うこともできる。

換金する時は逆の手続きを行う。買い手はWBTCをアラメダに送り返し、販売者は証明可能な形でWBTCを焼却(バーン)する。

トークン化された暗号資産の将来

ビットゴーのWBTCの成功は、さらなる可能性を開く可能性がある。WBTCの共同開発者であるビットゴーのCTO、ベン・チャン(Ben Chan)氏は8月、同社は他の暗号資産(仮想通貨)のトークン化を検討しているとCoindeskに語った。

WBTCの今年の成功は主にDeFi(分散型金融)によるものと同氏は述べた。

「今年、我々が目にしていることは、WBTC人気の大部分が、きわめて高いコンポーザビリティ(構成可能性)を持つDeFi業界によるものということだ」とチャン氏は述べた。

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