ゴールドマン:暗号資産の業界再編を予測──投資家需要「衰える兆候ない」

ビットコイン(BTC)
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米投資銀行大手ゴールドマン・サックスの幹部は、市場が成熟するに連れて、暗号資産(仮想通貨)インフラ分野における業界再編の動きが活発化していくとの見通しを明らかにした。

ゴールドマン・サックスを含む金融機関が、暗号資産の関連事業を拡大せざるを得ない状況に直面する可能性は高まっていく。そのための道筋の1つは明らかに、合併や買収によるものだと、ゴールドマン・サックスのグローバルマーケット部門でデジタル資産担当のグローバル責任者を務めるマット・マクダーモット(Matt McDermott)氏は、同社のポッドキャストの中で示唆した。

マクダーモット氏は、「暗号資産にすでに参入している企業は、ここ数年で急速に成長してきた。進化の速い分野である」と述べた上で、「すでに存在する銀行が需要を満たすような商品を開発してくれるだろうと、顧客たちの期待は高まっている。そのためには、ある程度の統合が間違いなく予想される」

ゴールドマンの強気の見解

ゴールドマン・サックスはビットコイン(BTC)を含む暗号資産について、少なくとも2014年から強気の見解を示してきた。このような通貨テクノロジーを、金融をディスラプト(創造的に破壊)する「メガトレンド」の1つと評したこともある。同社は時に、ビットコインなどの個々の資産よりも、ブロックチェーンテクノロジーをより支持するような姿勢も見せてきた。

しかしその点は、(「ヘッジファンドからアセットマネージャー、マクロファンド、銀行、企業の財務担当者、保険・年金ファンドに至るまで」とマクダーモット氏が言うように、)機関投資家がビットコインに対する関心を高めるに連れて、ここ半年で変化してきている。

増加する需要に応えるためにゴールドマン・サックスは、2017年に発表されながらも、規制上の懸念から2018年には棚上げされていた暗号資産取引デスクを再び立ち上げることを明らかにした。同デスクは早ければ3月中旬にもスタートする可能性があるとCoinDeskは報じたが、「最初はかなり限定的なものになる」と、マクダーモット氏は述べた。

ゴールドマンの暗号資産取引デスク

ゴールドマン・サックスは、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物とノンデリバラブル・フォワード(商品の引き渡しを伴わない先渡し取引)を提供するとともに、「ビットコインコンテンツ」を顧客機関投資家に広めていくと、マクダーモット氏は話す。CMEは現金決済のビットコイン契約を提供しているが、これはトレーダーが原資産を実際に保有することはない。

ゴールドマン・サックスや他の銀行がこれまで、暗号資産分野において大きな役割を担うことがなかった理由を聞かれると、マクダーモット氏は、銀行が直接暗号資産を取り扱うことを妨げる規制が存在していると答えた。

これは残念なことであり、マクロに重点を置いたヘッジファンドから、現物の暗号資産にアクセスするための需要が増えている状況を、同氏は指摘した。「そのような需要に異なる方法でいかに応えていくかという点は、我々が賢明に検討しなければならないものだ」と、マクダーモット氏はコメントした。

米銀は暗号資産業界にどう参入する

アメリカに拠点を置く銀行が、「現物の暗号資産を取引する」ことを妨げている具体的な理由について、同氏はコメントを控えた。米通貨監督庁(OCC)の元長官代理のブライアン・ブルックス(Brian Brooks)氏は昨年、銀行が暗号資産業界に安全に参入することを可能にする多くの前向きな政策を提案した。

ブルックス氏は複数の解釈的書簡の中で、銀行が暗号資産をカストディ(管理・保管)したり、米ドルなどに連動するステーブルコインを利用する顧客を受け入れたり、パブリックブロックチェーンネットワーク上でノードとして機能することさえできるように門戸を開いた。しかし、マクダーモット氏によれば、暗号資産のスポット取引は問題外のようだ。

300の顧客を対象に、ゴールドマン・サックスが行ったアンケート調査によると、回答者の4割が直接資産を保有しているか、デリバティブあるいは証券商品を通じて、暗号資産に投資を行っていることが分かった。また、回答者の32%が暗号資産に投資するために、現物またはスポットでのプライムブローカレッジに最も関心を寄せていることも判明した。

「これらの顧客とやり取りしてみると、投資したい理由について非常に明確な答えを持っている。彼らが本当に関心があるのは、より幅広い市場行動だ。そして投資を行い、ヘッジを検討するために最も効率的な方法を見極めることだ」と、マクダーモット氏は語った。「機関投資家の需要に関しては、衰える兆候はまったくない」とマクダーモット氏は述べた。

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