ビットコイン採掘機器3万台購入 環境配慮の米マイニング企業が規模拡大

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マイニング機器3万台の購入契約

米マイニング企業テラウルフ社(TeraWulf)が、ビットメイン社の最新マイニング機器「Antminer S19jPro」3万台の購入契約を締結したことがわかった。今回購入した機器は、2022年1月から6月にかけ分配されて納入される。

採掘マシーンの設置が完了すると、テラウルフ社のハッシュレートの合計は毎秒3EH(エクサハッシュ)増加すると予想されている。(エクサ(E)は、ギガ(G)、テラ(T)、ペタ(P)の上の単位で10の18乗)1EH/sとは、1秒間に100京回のハッシュ計算ができる能力を意味する。

テラウルフ社

テラウルフ社は、マイニングで消費する全ての電力を、カーボンゼロのエネルギー源とすることを目指しており、原子力発電や水力発電を利用して90%以上の電力を賄う2つのマイニング施設の計画を発表している。

その一つが、ペンシルバニア州の原子力発電施設に設置された「Nautilus Cryptomine」で、2022年4月までに100MW、2022年第3四半期までに300MWの電力供給が可能になると見込まれている。

もう一つはオンタリオ湖畔の水力発電を利用する「Lake Mariner Mining」。石炭発電所の跡地を利用したエネルギー転換のモデルとなる施設であり、完成後は500MWの電力需要に対応できるようになるという。

同社はマイニング機器メーカーMinerVa社と提携を結び、ビットメイン社製を含む合計6万台の採掘機器を発注済みで、今年中に50MW相当のマイニングを稼働する予定だという。さらに、2025年までには、800MWレベルまでマイニング能力を高め、23EH/s以上のハッシュレート実現を目指している。

米ナスダック上場企業と合併

テラウルフ社は、6月25日、米ナスダックに上場している画像技術企業IKONICS Corporation (Nasdaq: IKNX)との経営統合を発表。両社は新たに設立された持株会社「TeraWulf Inc.」として合併契約を締結した。

TeraWulf Inc.は、ティッカーシンボル「WULF」でナスダック上場を予定しているという。

テラウルフ社の会長兼CEOであるPaul Prager氏が新会社を率いるが、最高財務責任者や法務責任者をはじめとする経営陣もすべて同社の現行メンバーが務めることになる。

環境へ配慮したマイニング

多くの暗号資産(仮想通貨)懐疑派がビットコインに反対する主な理由の一つに、マイニングが大量の電力を使用し、環境へ多大な負荷を与えるという議論がある。テスラ社のイーロン・マスクCEOが5月に、マイニングによる化石燃料使用の増加へ懸念を表明し、ビットコイン価格の急落につながったことも記憶に新しい。

一方、マスク氏は実際にどれだけの化石燃料の増加が見込まれるのかのデータや、マイニングにおける再生可能なエネルギー使用の実態などには言及しておらず、仮想通貨業界からは非難の声も多く上がった。

世界の潮流からみると、持続可能な社会を目指す流れは止まらないようだ。日本政府も昨年、2050年までにカーボンゼロを達成する目標を掲げ、その目標達成のためグリーン成長戦略をまとめている。

米ニューヨーク州では、環境上の懸念から、化石燃料由来の電力を利用した仮想通貨マイニングを制限する法案が州上院で可決されるなど、厳しく取り締まろうとする動きが見られる。

テラウルフ社の「環境に配慮した持続可能なビットコインマイニング」という戦略は、仮想通貨を支えるマイニング産業を環境活動家からの攻撃や政治的論争から守ることに貢献することになるだろう。さらに、環境問題に敏感な人々がビットコインを受け入れる心理的ハードルを下げることにも寄与するのではないだろうか。

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