現在、株価指数は、世界各国で導入され、それぞれの国の経済状況を知る上で一つの重要な情報となっており、またインターネット上では、様々な指数が日々公表されており、その変動状況や時間的推移を常に把握することができます。
代表的な日経平均株価をはじめ、TOPIXやダウ平均株価、NASDAQ総合指数などを思い浮かべる方も多いかもしれません。市場の全体的な傾向を把握しつつも、特定の分野の景況感を知る上でも参考になると言えるのがこの株価指数。
最近注目されている分野にも新しい指数が登場するもよう。ベンチャーやハイテク銘柄を多く抱えるNASDAQと、米投資銀行の一つであるKBW(Keefe, Bruyette & Woods)は新たに、FinTechに関連する銘柄を対象にした指数「KBW Nasdaq Financial Technology Index/KFTX」」を開発しているとのこと。
同指数は関連企業49社のパフォーマンスの指標となるもので、組み込み企業の時価総額の合計は7,850億ドル(約81兆5,537億円)で、世界で初めてのFinTech専門ベンチマークになるとのことだ。
「FinTech指数」をもっと詳しく
公表されている資料によれば、最新の高度なテクノロジーや金融工学を金融業務に活かし、利益を創出している企業を「FinTech」にカテゴライズ。一部の支店を除いてオンラインで主要業務を完結させている金融企業49社のパフォーマンスから、総合的な動向を把握することが可能になるとのこと。
また「FinTech企業」により的確に焦点を当てるため、収益源にも注目している様子。従来型の非銀行系金融業者とFinTech企業の境界線を明確にするために、融資利息などを主要な収益にしている企業を除外。手数料から主に収益をあげている点も選定の基準になっているという。
同指数は2016年7月18日から始まり、季節調整が行われる。また毎年12月の第3金曜日に、組み入れ銘柄の見直しを行う。
「FinTech指数」を開発した狙い
2008年の世界金融危機以降、金融システムの根底が大きく揺らぎ、より効率的で信頼性の高いエコシステムを構築すべく、金融関連業務にテクノロジーを駆使した新時代に突入しました。
主要分野はビッグデータ、モバイルテクノロジー、ブロックチェーン、クラウドなどに分岐し、瞬く間に年間138億ドル(約1兆 4,336億円/情報源:KPMG、CBインサイト2015年調査)の巨大市場に成長しています。その結果、世界中でFinTechという看板を掲げた企業が急増し、市場は混戦ムードに包まれています。
投資家にとって、FinTech市場の動向や各企業のパフォーマンスを、正確に分析するための指針が必要となることはいうまでもなく、長年ベンチャー投資市場に携わってきたNASDAQと、KBWの金融市場に関する知識と経験を活かすかたちで開発されたのが、この指数です。
このようにブロックチェーンをはじめとするフィンテック分野は、投資家の重要な指針となる、株価指数に取り入れられるほど、今急成長の分野となっています。
出典:最新の株価指数「FinTech指数」とは?