トランプ再選は米ドルの地位を損なう可能性:ドイツ銀行レポート

経済/社会
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トランプ再選は米ドルの地位を損なう可能性:ドイツ銀行レポート

ビットコインは2020年下半期、新たなボラティリティ(価格変動)要因に直面する。そのトリガーはアメリカの大統領選挙だ。

ドイツ銀行によると、ドナルド・トランプ大統領の再選は、米ドルの100年におよぶ世界の基軸通貨としての地位を脅かす可能性があるという。ドイツ銀行の外国為替アナリストは7月1日に発表したレポートで、トランプ大統領は任期中に「政策の正統性と制度」を揺るがしたと記した。

一方、民主党大統領候補のジョー・バイデン前副大統領は「より予測可能で正統性の高い、伝統的な同盟関係を重視した政策」を追求する可能性が高いとしている。

バイデン氏の勝利は、先進7カ国(G7)、IMF(国際通貨基金)、世界銀行、WTO(世界貿易機関)、北大西洋条約機構からなる「第2次世界大戦後の金融構造を支える」だろうとドイツ銀行は述べた。

ドルは世界の外国為替市場における支配的なポジションに確立した。国際決済、各国の中央銀行の外貨準備に使われ、ゴールドや石油などのコモディティ、ビットコインのような暗号資産(仮想通貨)の価格単位としても使われている。

ドルとビットコイン

「トランプ大統領は2期目にアメリカの外貨準備に大きなダメージを与える可能性が大きい。一方、バイデン氏が財務長官を慎重に選び、多国間のグローバルなリーダーシップを発揮する限り、ドルはより安全な状況にあるだろう」

ドルの準備金としての状況はビットコイン市場の重要な要素だ。なぜなら暗号資産は多くの投資家から「幅広い通貨の切り下げに対するポートフォリオ上の保険」として見られているからだとデルファイ・デジタル(Delphi Digital)のアナリスト、ケビン・ケリー(Kevin Kelly)氏は先週、レポートで述べている。

またドルに連動するステーブルコインは、急成長するデジタル資産市場において、お金を移動するためのより一般的な手段となっている。

ドルインデックス
出典:MarketWatch

FRB(連邦準備制度理事会)がグローバル金融市場に約3兆ドルを注入しているにもかかわらず、現時点でドルの支配力はほとんど損なわれていない。ユーロ、円、英ポンドを含む主要通貨のバスケットに対するドルの価値を示す米ドルインデックスは今年、0.7%上昇している。

トランプ大統領再選のリスク

ドイツ銀行によると、トランプ大統領の再戦は長期的にはドルにとってマイナスになるかもしれないが、短期的にはおそらくプラスになる。バイデン氏が当選した場合、トランプ大統領が任期中に進めた減税を撤回する可能性が高いことがその一因だ。

経済を最優先事項としてきたトランプ大統領はこの4年間、一貫して経済刺激策を推進してきた。2016年に減税を公約に掲げて選挙運動を行い、2017年後半には1兆5000億ドルの財政パッケージでGDP(国内総生産)3%増を実現すると述べた。だが2年連続で実現できなかったため、大統領は金利引下げの圧力をかけ、FRBはそれに応じた。

2020年、新型コロナウイルス対策としてトランプ大統領は2兆ドルの経済対策法案に署名、トランプ政権はFRBの数兆ドルもの緊急融資と金融刺激策を称賛している。

「彼にはますます満足している」とトランプ大統領は先週、フォックス・ビジネス・ネットワークのインタビューでパウエルFRB議長について語った。

デジタル資産投資商品を提供するNovum Alphaのパトリック・タン(Patrick Tan)CEOは、現在のところ「ドルがその求心力を失うリスクは限られているが、長期的には不明確」と先週、メディウム(Medium)に投稿した。

トランプ大統領は輸出競争力を向上させる傾向があるドル安を好むとしばしば述べている。そして国内消費者物価の上昇を犠牲にしている。

ドイツ銀行のアナリストが正しければ、11月にトランプ大統領が再選した場合、最終的には大統領が望むドル安を招く可能性がある。

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